ゲームデザイン考察

スーパーマリオの1-1がゲームデザインとして完成されているというのは結構有名な話ですが、他のゲームはどうなのかと思ってゲームデザインを意識して改めてプレイしてみました。

ロックマンXのオープニングステージ

スーパーマリオ同様の横スクロールアクションですが、スーパーマリオと比較して難易度が高いことで知られるこのゲームですが最初のステージは非常に遊びやすく作られています。

ロックマンシリーズといえば8体のボスを自由な順番で倒していき、8体倒すと現れるワイリーステージをクリアする内容でした。
ですが、Xシリーズになってからは、それに加えオープニングステージが登場します。
なぜ、オープニングステージがあるのでしょうか?
ハードのスペックが向上したのでストーリーや世界観を表現できる。それもありますがそれだけではありません。

なぜ、スーパーファミコンのロックマンXを選んだのか。それはそれまでのアクションゲームにないシステムが採用されているからです。
誰でも遊べるアクションゲームはマリオを模倣すれば良い、では難しいアクションゲームではどうなのでしょうか?

ステージ序盤

スタート直後
敵も障害物も一切ありません。
少し進んでも、敵は出てきません。

ここでプレイヤーは基本操作の確認を行うことができるでしょう。

※ ちなみにスーパーマリオ1-1も同様にスタート直後は敵もブロックもありません


最初の敵
スタート地点からしばらく進むと、右から高速で転がってくる敵が現れます。
バスターで破壊するかジャンプで避けるか。
チャージショット1発、ノーマルバスター3発で倒せますが、マリオの敵と比べるととにかく速い
反射的に攻撃しないと間に合いません。

この時点で、マリオとは全く違うゲームなんだなと感じさせられます。

2番目の敵
最初の敵に比べてでかい。
チャージショット1発程度では全然びくともしない。
ミサイルやらビームやら撃ってくる。
初めてプレイしたらとにかくダメージを受ける。
ゲーム序盤なのにフルボッコにされます。

※ このゲームに慣れてる人が撃ちまくったら一応ノーダメージで倒せます

最初のジャンプポイント
このゲームで登場する最初の穴。
ここまではジャンプしなくてもどうにかなるけど、ジャンプしないと先に進めません。
いきなり穴が登場するのはやっぱりマリオと違って難易度高めのゲームである証拠ですね。

※ マリオの最初のジャンプポイントは土管の乗り越えること。地面が足場なので安全ですね

敵がわんさか 地面もでこぼこ

ここから敵がどんどん出てきてアクションゲームっぽくなってきます。
地面を破壊する敵によって、進みにくくなってきたり。ファミコンの頃とくらべてゲームの進化を感じられます。

でもここで重要なポイント
「あれだけダメージを受けているはずなのに全然ミスにならない」

とにかく敵がたくさん出てきて攻撃してくるのに、倒せば回復アイテムを落とします。

この絶妙なバランスにより、難しいにも関わらず、やられることなく前に進むことができるのです。

ステージ中盤

中ボス登場

さらに進むと中ボス登場。
雑魚敵も出てきて、多彩な攻撃してくる強そうな敵。
適度に攻撃してくるけど、とにかく遠距離からバスターを撃っていれば普通に倒せるレベル


この先進めない?いや
中ボスを倒すと当時に地面が崩れて落下。
前も後ろも高い壁で進めない。って状況になります。
目の前に中ボスの残骸が…
敵の上にのって前にジャンプしてみると


こんな感じで壁に激突!っておもったら、壁を滑り落ちる。
その時にジャンプしてみると…

ここでプレイヤーは説明をうけることもなく壁キックの存在を知ることができると思われます。

ここでは敵は一切登場しないため、プレイヤーは安全に壁キックの練習をすることができます。

また中ボス

さっきと同じヤツとまた戦う。
「一度勝った相手にはもう負けない。何度やっても無駄なこと」
そして、また地面が崩れて下に落とされる。

このゲームが他のアクションゲームと違うことは壁キックで壁を登るアクション。
なので、プレイヤーに操作に慣れてもらうため何度もやってもらう必要があるのです。

壁キックの本番

足場が崩れて強制的に壁キックさせられます。
さっきと違って下に足場はありません。
失敗したら終わり。
練習でできたことが本番でできるか?
先に進むと更に敵も出てきます。

今までは練習、ここからが本番

とにかく、足場が崩れて強制的に壁キックで這い上がるアクションをひたすらやらされます
敵も出てきてダメージを受けますし穴にも落ちやすくなっていきます。


ステージ終盤

さぁ、ボスと対決!
「自分だけ変な乗り物にのってズルい」
「正々堂々戦いやがれ」
とにかくボスは強い。
ホント強い。
ふざけるなってくらい強い。
どうすれば、勝てるのか。
そもそもパワーゲージが表示されていない?!

やっぱり強かった!
どんなに頑張っても絶対に勝てない。
通称負けイベントってやつ。

でも、ただのストーリ的な演出ではなく、このゲームを楽しむための大事なこと教えてくれるとても重要な要素なのです。



今のままでは勝てない!


ロックマンX、シリーズでは、それまでのロックマンと違い。各ステージに散らばっているパーツを手に入れることで、主人公(エックス)がパワーアップしていきます。 パーツを装備することで、強くなり強い敵にも勝てるようになってきます。
なので、プレイヤーに自然とパーツを集めて強くなるという目的を認識させるために、 「今のままでは勝てない。」という負けイベントが必要なのです。 パーツを集めれば強くなれる。「ボスに勝てなくても、まずパーツを集めよう。」というのがこのゲームの趣旨なのです。

直接、ゲームの遊び方を説明をゲームに入れるのではなく、プレイヤーが自然とゲームの遊び方や目的をわかるようにするため、 アクションゲームであっても、ストーリー演出はとても重要な要素になるということです。

まとめ

簡単なゲームであっても、難しいゲームであっても、誰でも最初は何も知らないでしょう。
ですから、ゲーム序盤でそれを伝える必要があります。
言葉で伝えるのではなく、自然とそれを行うような仕組みにするとわかりやすいでしょう。
新しいテクニックや難しいアクションをいきなり実戦で行うのは難しいです。
なので、練習できる部分を作る必要があります。
たくさん練習したほうがプレイヤーも上達するし、作る側も難しいコースに挑戦してくれたほうが嬉しいですしね!

簡単なゲームと言われているマリオも、難しいゲームと言われているロックマンXも、ゲーム序盤でプレイヤーにゲームの楽しさを知ってもらうという点は 変わりません。
※ ロックマンX は それほど難しいゲームはありません。(あのゲームが下手で有名な課長でさえクリアしたから)
本当に難しいのは「ロックマンX3」からあれは前作ロックマンX、X2をクリアした人のためのゲーム。ゲーム序盤から容赦のない敵や罠が待ち構えていますので…
ちなみに、スーパーマリオもシリーズを重ねるに連れて、ゲーム序盤の難易度も高くなっていきます。 ファミコンのスーパーマリオブラザーズの1-1はゲームを知らない人でも遊びやすく作られていますが、マリオ3、マリオ4(スーパマリオワールド)に行くに従って ゲーム序盤から複雑な敵や仕掛けが登場するようになっています。 むしろ「ロックマンX」のほうがある意味初心者に優しいともいえます。

ロックマンX

人間と人間に近い思考回路を持つロボット「レプリロイド」が共存する世界。人間が犯罪を犯すのと同じく、レプリロイドや、人間に使われるだけのロボットであるメカニロイドも、故障し犯罪を犯すものが現れていた。それを速やかに解決、抹消する特殊機関が「イレギュラーハンター」である。ケイン博士によって封印から目覚めたエックスは、Bランクハンターとしてこの機関に所属する事になる。 ある日、謎のイレギュラーが暴走しているとの知らせを受け、シグマ率いる第17精鋭部隊が出撃した。しかし、その圧倒的な力に並みのハンターではかなわず、隊長のシグマが戦いを挑む。ついに、シグマはそのイレギュラーの鎮圧に成功したが、その日からシグマの様子はおかしくなっていったという。シグマによって鎮圧されたイレギュラーは「ゼロ」と呼ばれ、その後は正常な機能を維持。シグマが監視を兼ねる意味でイレギュラーハンター第17精鋭部隊に配属となった。そしてエックスとゼロは先輩後輩の仲から親友となり、ゼロは特Aランクハンターとなる。 それからしばらくした頃、シグマが突然人間に対して反乱を起こした。人間を排除し、レプリロイドだけの世界を築こうというのである。それに乗じてイレギュラーハンターの隊員もシグマ側に付く者もいた。残されたハンター達は戦いを挑んだが、シグマ勢の圧倒的な力に次々と倒されてしまう。 そしてエックスとゼロはシグマの計画を打ち砕くため、たった2人でこの大規模な反乱に立ち向かうのだった。

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